2009/12/15

インド国立文学アカデミー会長さんのお話聞いてきました

13日の日曜日、前記事で書いたように、国際子ども図書館のイベント、

『インド児童文学の現在』を聴きに行きました。

お話してくださるのは、インド国立文学アカデミー会長シュニル・ゴンゴパッダエ氏。
インド文学界で大きい位置を占めつつも、子供向けの本も30冊以上書かれているそうです。
今回、撮影禁止だったのですが、大江健三郎さんのような風貌、知性とユーモアと批評精神のあふれたまなざしの方でした。

アマゾンUKサイトのゴンゴパッダエ氏の図書など。

お話の内容は、いずれ国際子ども図書館の講演会記録ページが作られると思いますので、注目したい点を。

sunインドは800もの言語が用いられていて、そのうち公用語に指定されているのが22言語。
国立文学アカデミーには、そこに英語も含めた二言語足して、24の言語セクションがある。

そんなに言葉があるので、会長である自分ひとりではできないことなので、各セクションにリーダーがいて、ゴンゴパッダエ氏自身は、ベンガル語である。
(講演は英語でした)

ところが、インドには、大きい共通文学財産がある。
それは、『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』。
だから、いろいろな言語で書かれた絵本も、この二作が題材になっていると、違う言語でもどんなお話かわかる

sunベンガル語児童文学について

インドでは、祖母祖父が子供たちに昔話をしていた伝統が核家族化でくずれてきつつあるといっても、その伝統ゆえ、一般の文学の作者も積極的に児童文学を書いている
そして、児童文学を書くということは全く報酬の少ない仕事で、それ専門では食べていけない。
奉仕活動といってもいい。

しかし、ベンガル語文学圏には二つの大きいファミリーがある。

一つは、タゴール一族。

アジア人で初めて、1913年ノーベル文学賞を受賞したラビンドラナート・タゴール。
彼もたくさんの児童文学を書いていて、インド児童文学界では「古典」となっている。
また一族は大きく、その中の女性たちも、児童文学作家となっている。

タゴールさんの図書・アマゾンUKサイトより。

タゴール一族といえば!
一族のお一人に嫁いだ日本人の方の本タゴール暎子『嫁してインドに生きる』(ちくま文庫)は私の愛読書なんです!
インドが文学の国だということを、欧米・日本すべてあわせても、初めて私に教えてくれた本でもあります。
おすすめです!

もう一つはレイ一族。

中でも、サタジット・レイは映画監督としては世界的に有名だが、彼自身、児童文学をたくさん書いている。
レイの父親と祖父も児童文学作家であり、タゴール一族と違うところは、レイ一族は児童文学だけを書いている、ということ。

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India_books

さがしてきました、シュクマ氏とサタジット氏の児童書画像。

シュクマ・レイ氏を始め、アマゾンUKサイトのレイ一族の児童書

中でも、父親のシュクマ・レイ氏は、児童文学界の王者であり、彼の名を知らない人は、インドでは教養人とはみなされないくらい。
作品のヴァース(詩句?警句?)は、格言となっているくらいだし、キャラクターも有名。
けれど、彼の作品のよさは、隠れたユーモアであるので、翻訳はとてもむずかしく、それゆえ、日本では知られていない。

自分の大好きな作家で、彼は32才、息子サタジットが2才のとき、病気で亡くなってしまった。

ということで、最後の美しいベンガル語の詩を、息子サタジットが英訳したものを読み上げてくれました。
それは、虹のむこうに想像力をとどめることができない世界がある、というふしぎな美しい詩でした。

sun講演最後に、ゴンゴパッダエ氏の児童文学を映像化したDVDをほんの10分ほど見せてもらえました。
ベンガル語に英語字幕がついたもので、全体は90分だそうです。

タイトルは「King of the Green Island」だそうです。
舞台はアンダマン諸島。そこに、かつて植民地時代の孤島の牢獄があり、自由運動に関わった政治犯が投獄され、虐待されていた。
脱走しようにも、密林には、毒矢を使う敵意あふれた裸族がいる。
ところが、ある日海に飛び込んで逃げた男がいた・・・。

時は流れ。
少年カカバブは、気が弱く、足も不自由な病弱な少年だが、鋭い頭を持っていた。
彼らは、先生の指導で、このアンダマン諸島の裸族の調査に行くのだが、そこには不思議な発光体があり、それをねらうギャングの一味も偶然この島にやってきていた。

はたして、カカバブたちは裸族の中でギャングとどうなるのか。
そして昔海に飛び込んだ男はどうなったのか・・・。
結末は、ネタバレになるので、教えませんよ、とゴンゴパッダエ氏はにっこり。

映像は、80年代ふうのパンタロンズボンとはいえ、少年たちがユーモアたっぷりな会話をかわしていて、なかなかの作品。

sunおまけ・ベンガル語の児童書はどこで買えるか

これは、質問コーナーで出て、実際にデリーなどの書店でさがしても、児童書は英語の本ばかりなのだけれど、ベンガル語やヒンディー語の児童書はどこで買えるのでしょうか、という質問に・・・。

今若い家族は、英語中心で子供を育てようとしている、とのことと、インドのことばの児童書は、大学付近の書店に行ったら見つかる、とのことで、これは、児童書が一番多く売られているのはタイでもチュラーロンコン大学の書籍部(教育学部コーナー)という状況と似ていておもしろかったです!
しかし、幸いといってもいいでしょうが、一般書店でもタイはタイ語の図書なんで、そこはいいかな。

sunゴンゴパッダエ先生の反対質問

インドの方々というのは、インド映画で見た印象では会話をはずませ、ユーモアをたっぷり入れる、ものですが、ゴンゴパッダエ先生のそんなところがかいま見えたのが、質問コーナーで、

「私から反対に聞いていいですか?
そもそも、売れる児童書ってどれくらい売れてます?そして日本でも、大人の本の作家が児童文学を書くことがありますか?ざっくばらんに教えてください

と身を乗り出して、たずねられたのですhappy01

これについては、図書館司書の方が答えておられました。
また、国際子ども図書館のデータでは、今世界で一番売れている児童書は、

一位『星の王子さま』600万部
二位『ハリー・ポッターと賢者の石』500万部だそうです!

今回行ってよかったのは、インド関係にこんなにたくさんの児童書そのほかがあるとわかったこと!
また、日本のインド文学の先生ともお会いできたことでした。

いくつか覚書で、続きに本をあげておきますので、ご興味のある方もぜひ。

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2009/11/28

万華鏡とクリスマス絵本とトマトなべ

今日は楽しみにしていた、二ヶ月に一度の、こひつじ文庫さんでの、とことこペンギン隊さん「はじめましての絵本たち」の日!
こひつじ文庫さんには、早くもステキなクリスマスグッズが・・・lovely
その中で、ステキな万華鏡を見せていただいて、みんなで感嘆の声をあげたのです。
写メールとれるかやってみました。

万華鏡に十字の形でさされている透明な棒から中のものが降りてくるのですが、それをながめるので、じっと持っているだけでキラキラ景色がかわっていくのです・・・shine
こういうタイプのもの、初めて見させていただいた、とみなさんも感嘆しながらかわりばんこにのぞかせてもらいました。

今回も24冊の本を紹介してもらいました。
その中で私が購入したのは4冊!

まずは、先日惜しくも急逝されてしまった、かがくいひろしさんの『おふとんかけたら』。Ehon_ohutonkaketara

立ち読みページはこちら。

ちょうどおふとんのあたたかさが恋しくなる季節!
おふとんをかけられたいろいろなものの、かがくいさんらしいふっくらとぼけたユーモアがたまりません~。

そして『さかさことばのえほん』。
かんたんな回文の絵本ですが、段ボール紙に描いているというレトロな絵柄のキツネさんやゾウさんがステキなんですよ
日本語への意識のためにバンコク子ども図書館寄贈用で。

Ehonhorahukijuutann

そしてこれは、絵本というより、物語の本、『ほらふきじゅうたん』。
これは、本を手にした女の子の石像と、その足元にしかれたトラのじゅうたんの物語です
ある日、突然、石像の女の子が目覚め、二人の会話が始まります。
女の子は、大理石から彫られたのでしょうか?それとも魔法をかけられた本当の女の子?
トラの少し苦い口調から、真実は何か二転三転ただよいます・・・。
そして、ラストのラスト、この本の一番最後の部分、これこそ、ファンタジー文学の真髄であると思いました。

しかし、今回もっとも人気があったのが、これですよ!
クリスマスのてんし』。

Ehonchristmasunotenshi

10人の天使たちが困った人を助けるのですが、困っている人と、うしろすがたはモノクロで、助ける部分になるとカラー。
少し昔めいた絵柄がまたクリスマスにぴったりなんですが、その仕掛けがかわいいのなんの
特に、
「あまいものがすきな」女の子のところにまいおりた天使・・・
これは~~
身につまされますよ、奥さんcoldsweats01

と、楽しく絵本を紹介・購入してもらったあとは、ティータイム!

このプレートのミニミニ大学いもとおいものパウンドケーキは、参加された方の手作り!

そして・・・お昼までいただいてしまいました!

今年大流行というトマトなべです!

でも私はいただくのは初めてです!うれしいです!happy02

これがまたおいしいんです!
くどくなくて、さっぱりしていて、ほんとうにやさしい味です!

胃弱な私も、ロールキャベツやソーセージ、ほんとうにおなかにあたたかくいただけます。

しかも、おなべの締めは、「オムライス」になるんです!
ごはんを入れて、トマト味の中によくおだしの出たスープを少し煮つめて、卵を落として・・・。

ふつうのオムライスならごはんを炒めて作るのですが、これは、中がリゾットというかおじやふうになったオムライスなので、これまたおなかにやさしく、とーっても美味しかったです!lovely

これと、カブのバルサミコ酢あえ、うちでも作ります!

ということで、ステキな絵本に、おいしいお献立、すばらしいクリスマス飾りに、かわいいネコちゃん!
とシアワセな一日を本当にありがとうございました~~~。

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2009/11/18

『おいしいミステリー』リストと『海外の日本人YA文学』リスト

ガシガシ編集したバンコク子ども図書館帰国者の会会報、昨日は精鋭5人の有志が集まっての、発送作業でした。
今回の会報も、締め切りまで短い期間、ムチャぶりにも答えてくださって、忙しい中、びっくりするくらい充実した内容でした!いや~~みなさんにお見せできないのが残念なくらい、多彩な経験が集まりましたよー。
ほんと、みんな、ただものでない主婦群です!

お見せできないとはいえ、圧巻が、「本グルメ」Mさんが作ってくれた、「おいしいミステリー」リスト
これ全部読んだの~~?!coldsweats02
とコピーをおりたたみながら、作業班も騒然!
ご本人は
「だって、これは軽く読めるものばっかりですもの~」と涼しいお顔。

このリストでなく、毎回連載してくれているおすすめ本のコーナーでのイチ押しは、
北森鴻『香菜里屋を知っていますか』
ということで、「北森」ワールドについて、ほかの本もあげながらのおすすめ。
これは~~絶対「北森」ワールド読んでみなければ!!

せっかくなので、題名だけ「続き」に書いておきますので、ぜひみなさんも、秋の夜長、そして冬ごもりのおともにどうぞ~。

ついでに、そのMさんから、先日の私のYA講座にどんな本をあげたのか聞かれたので、その時配布したレジュメの本も、書いておきます。
こちらもご参考に~~・・・。

ということで、1時間ちょいのおしゃべりしながらの作業のあとは、おいしいぶっかけうどん定食にくらいついたんですが、写真撮るの忘れてました・・・
しかも、話題の?マクドナルドのプレミアムコーヒーとシナモンメルトまで、調子にのって食べてしまって・・・
夜も全くおなかがすかず・・・。
しかもまた太ったのでは・・・bearing

ということで、「おいしいミステリー」にちなんで、シナモンメルト画像をあげておきましたcoldsweats01

では、続きにリストを。
ほんとうは、このリストそれぞれにあらすじとコメントまで入っていたんですよ!

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2009/10/30

明日児童文学者岩崎京子先生NHKに

日本の児童文学界に、多くの珠玉の作品を書かれている今年87歳の岩崎京子先生。

明日31日土曜日、NHKの「おはよう日本」の中の「おはよう首都圏」で9分ほど、ご自宅で35年間続けられた家庭文庫などの取材の放送があるそうです!

くわしくはこちら。

この紹介によると、新作も!出るそうですね。

私にとっては、『花咲か』の先生、という印象ですが、調べるとそれも初期の作品だったのですね。

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2009/10/28

10月のおひざの上のお話会

きょうはすごーい絵本を見てもらいましたよ!

どんな絵本か・・・
その前に、まず最初から。

今日はうららかないいお天気!
ということで、室内のお話会に来てくれたのは5組のお母さんとお子さんだけでしたが・・・。
私もリラックスしてだんだんと、不慣れな赤ちゃんのお話会にも心に余裕が出てきましたhappy01

バンコクでは8年読み聞かせをしていたとはいえ、チームを組んで、しかも幼稚園生以上へのお話。
たった一人で、赤ちゃんへ・・・というのはけっこう緊張していたんです。
(いつまでも初心者・・・若い!←違)

それにしても、今日も、絵本を読んでいると、赤ちゃんのお顔がニコニコになったり、絵が見たくってどんどん寄ってきたり・・・本の力と小さいひとたちの力にはいつも感動ですlovely

今日は、「ととけっこう」からお名前を聞いて、以前も使った100均のジョーゼットののれんを切ったものを渡します。
それから、ネットでさがした「じいじいばあ」・・・いないいないばあのことですね。

インターネットで見つけたわらべうたブログで、手に布をかけてそこから、お人形を、
「じいじいばあ!」でちょろり、「じいじいばあ!」でちがうほうからちょろり、「ちりんぽろんととんでったー」で、上にのばす、
というのを見たのでやってみました。

うちにあったぬいぐるみと古タオルを使って。
そのあと、お母さんとお子さんで布をつかって「じいじいばあ」。

それから、こどもとのとも0、1、2才の『おつむ てんてん』。
お顔つながりでいっしょに読んで、やってもらいました。
くまさんやかえるさんの迫力ある絵に、どんどん近づいてくる赤ちゃん!
(本の詳しい情報はリンク先へどうぞ)

つづいてパネルシアター「まんまるさん」で、絵本に出てきたブタさんなどを。

それから、今月から毎回やります、と宣言して、
またまたこどものとも0、1、2才の『いちじく にんじん』。
かぞえうたです。
「10」の「とうがん」の絵がすごいです!
しかも、出てくる野菜たちが、本物そっくりに描いてあります。

それからまた、「まんまるさん」をやって、赤ちゃん向けはおしまい。
そのあと、お母さんたちへの紹介コーナーで・・・

「すごいまんまるさんですよ!」

それは・・・

デビッド・A・カーター『くろまるちゃん』!

かわいい題名に似ず・・・超ポップアートな飛び出す絵本です!
全ページ合わせて「くろまる」が600個あるとか・・・
たとえば、この白いびらびらの先っちょに1個ずつ小さい黒丸が!coldsweats02


こちらの絵本ナビの紹介ページで、さらにたくさんのページが見られます。

この絵本でみなさんにおどろいてもらったあと・・・

秋といえば定番の
『さつまのおいも』。

それから、先日入手した、
『大阪うまいもんのうた』を紹介して今日も無事終りました。

9月以前のお話会のようすはこちら。

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2009/10/04

後輩の児童文学教授とアフタヌーンティーデート!

昨夜のノートくんのライブに行く前ですが、実は新宿で、後輩の児童文学的出世頭!(?wink)児童文学の教授である川端有子さんと、ひさしぶりに会って、アフタヌーンティーとおしゃべりを楽しみました!

お店は、ティーサロン 燦 -SUN-
新宿高層ビル群の中の、新宿住友ビル50階!
今まで野村ビル、損保ジャパンビルは登ったことがありますが、住友ビルは初めて。
こちらの眺望もいい~~。

こうしてお話は、児童文学とネコのことcatであっというまに○時間・・・過ぎたのですが、ここでありこさんの実名を出させていただいたのは、新刊があるからで、その宣伝も!と。

それは・・・
『「もの」から読み解く世界児童文学事典』。

出版社の紹介ページはこちらです。
『坊ちゃん』『赤毛のアン』『モモ』から『走れメロス』(?!)・・・
などなど、
みなさんが愛読したり、読書指導したりしているあの本この本に出てくるモノ!
それを知ったら、ますます本の世界が楽しく深くなるというすぐれもの!なんだそうです。

しかし、少々お高いので、まずはぜひぜひ図書館にリクエストしてください!
そして、お金のある方は買ってください(笑)。

とのことでしたーーー。happy01

そのあと、知らなかったのですが、瀬田貞二さんの今まで書かれた評論が全部おさめられた本が、刊行されていることを教えてもらいました。

『瀬田貞二子どもの本評論集 児童文学論』、福音館から出ていたのですね!

これが、読んで見ると、1960年代からのものでも、全く古びていないとか。
これはぜひ読まなければ!

こうした「知の統括者」ともいうべき、碩学の泰斗という方は、研究が先鋭化した今では、なかなか珍しいとのことでしたが、そういえば、東南アジア研究でいえば、

梅棹忠夫さんの『東南アジア紀行』!
この本がまた、1970年という、カンボジアの内戦も、ベトナム戦争の収拾も始まっていない時代に書かれたフィールドワークの記録なんですが!

なのに、これまた全く古びていないんです。
基層になる部分をしっかりとらえてられているからなんでしょう。
それに旅行者であるのに、直感で本質をとらえる能力が鍛えられているのでしょう。
今も大好きな本です。
中公文庫からまだ出ていると思います。

ありこさんの文章は、ほかのいろいろな著書でもそうですが、本当にわかりやすいし、すーっとすじみちがとおっていて、「ハンサムな文章」!
ちょっとおかしな表現ですが、まったくそんな感じです。
ぜひぜひ、みなさんどれでも手にとってごらんになってください!

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2009/10/02

ヤングアダルト文学から世界を広げるという講座やってきました

「もし、海外の児童文学に日本人が登場するなら、どんな人に出てきてほしいですか?」

というわけで、あいにくの雨の中ですが、たくさんの方に聴きに来ていただいて、本当にありがとうございました。

今回は、ヤングアダルト児童文学への招待ということでお話をという依頼をいただきました。
そこで、YA文学といっても、ファンタジーなどいろいろとあるのですが、今自分が関心を持っている、上のようなテーマにしぼることに決めました。

事前に、シンシア・カドハタ『草花とよばれた少女』、グレッグ・ライティック・スミス『ニンジャ×ガリレオ×ピラニア』、中川なをみ『砂漠の国からフォフォー』のうちどれか読んできていただく、ということにしました。

実はこの3冊ですが、『草花』は第二次大戦中収容所に収監され見下されていた日系アメリカ人の物語
『ニンジャ・・・』は、現代の日系アメリカ人が登場する話(作者の両親が、ドイツ系アメリカ人と日系アメリカ人)、
そして、『砂漠の国・・・』は日本の若い女性が、青年海外協力隊として、「途上国」アフリカへ幼児教育に行く物語。

だったのです。

最初に種明かしをすると、今世界の児童文学は、「グローバル」という方向に向かっているけれど、(たとえば『スラムドッグ・ミリオネア』のオスカー受賞など、欧米以外に関心を持とうとされているけれど)、
そのグローバルとは、「西欧化」のことなのか、「先進国化」のことなのか。
もしそうだとすると、そこには、どこかに、「対象国を下に見る」という意識があるんじゃないか、
とうすうす感じていたのです。

ところが、日本人は先進国では「見下される立場」にあるため、逆にマイノリティを平等な目線で観ることができる、という能力があるのがいいところ、だと思っているのです。

たとえば、インドが多くとりあげられている欧米作品でも、インドが豊穣な文学大国であることにふれているものはありません
しかし、私の好きなタゴール暎子さんのエッセイ『嫁してインドに生きる』は、ノーベル文学賞を受賞したタゴール一族の青年と恋愛結婚した、ということで、ちゃんと「平等目線」で文学について書いているのです!

一方、日本人でも、『砂漠の国』の主人公「あゆら」のように、それが途上国に対してだと、「かわいそうなアフリカの子どもたちに・・・」という「上から目線」になってしまうこともやはりあります。

それは、実は「固定観念」のなせることなんですね。

「あゆら」は、赴任先ニジェールの人と文化を尊重して対等になって初めて、自分のやりたい教育ができるようになるんです。
それは、相手国を尊重しつつ、しかも自分の知っているいい点は伝える、といういい「バランス」を見つけたからなんです。

どうしても日本にいると、「固定観念」はもってしまいますよね。

その固定観念をこわすために、まず、日本では「途上国」「ゾウとスラムの国」(?)という固定観念がありがちなタイ。

そのタイの漫画家タムくんのアニメ『車』を観てもらいました。ゾウもお坊さんも出てきません。出てくるのは、高速道路と高層ビルと、学校に車で送ってもらっているマムアンちゃんですよね。

そして、『タムくんとイープン』からタムくんがどんなふうに日本のことを思っているか。

それから、プラープダー・ユンさんの『座右の日本』からも日本のことをどう思っているか。
それから、DVD『インビジブル・ウェーブ』の特典映像から、プラープダーさんを見てもらいました。

次に、これも私の住んでいた台湾の絵本作家、ジミー・リャオさん。
彼は世界にも翻訳されている「グローバル」な絵本作家です。
その彼がNHKの「地球エコ」という10分番組に出たときの映像を見てもらいました。
ジミーさんの描く絵に、グローバルと台湾文化のバランスを見てもらったのです。

それから、レジュメに推薦本をいっぱい書いてきたので、その説明。

ここまで1時間くらいで、最後30分は、来てくださった方に順番に感想をお話してもらいました。

実はこの時間をとても楽しみにしていたんです!
いつも、こういうお話のときは、「質問タイム」が、逆に自分にもとても勉強になるからです!
みなさんは、こういうことを知りたいと思っていらっしゃったのか、など。

今回のみなさんの感想もとても勉強になりました!
意外にというか、現代だからかというか、海外経験のある方が多かったこと。
ヤングアダルト、という分野の本をもっと紹介してほしいという声が高かったこと。

そして・・・一番びっくりしたのが、最後から二番目に発言された方が、実際に青年海外協力隊として、アフリカに赴任されていた!!!

そしてこの方が、新田次郎さんの『アラスカ物語』という、明治の時代にアメリカのマイノリティの中で暮らす日本人たちの群像を描いた本がある、と教えてくださったのです!
これは読まなければ!!

みなさんとのお話は本当におもしろくて、もっともっと、全員で対話ができたらよかったのですが・・・
ついつい、「巻き」が入るくらいになってしまって。

今回、こういう機会を作ってくださったみなさん、本当にありがとうございました!
今日お話させていただいたことは、自分の中でももっと煮詰めて、いずれ評論として書ければ、と思っています。

そしてね~~。
実はいいものをいただいたんですが、それはもったいないので、別記事にhappy02

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2009/09/29

9月のおひざの上のお話会

毎月一回やらせていただいている、0、1、2才のお話会。
8月は自治会行事お休みだったので、久しぶりの9月。
「まんまるさん」の新作を作ってみました・・・。

新バージョン!
くだもの(笑)。

いつも、動物さんのお顔ともまだそんなに出会っていない月齢のお子さんが多いので、くだものを作ってみました・・・。
(「まんまるさん」って著作権はだいじょうぶなのか?!coldsweats01

前回土曜日より平日のほうが来やすい、というお声があったので、今回からいろいろな曜日でやってみようということにしました。
内容的には、赤ちゃんなので、同じことのくりかえしのほうがいいですから、聞き逃された方にも、リピートがあるということで、お許しくださいね。

ということで、今回は9組のみなさんが来てくれました!happy02
初めて参加される方も・・・
ということで、今回は、手遊びは少なめにしました。

実は私、幼稚園くらいの聞き手のお話は8年もやっていたのですが、赤ちゃんのお話会は、まだ修行中で、
「さぐりさぐり」(笑)。

そんな中、「まんまるさん」や絵本が始まると、おひざの上の赤ちゃんも、ちゃんと集中して目を向けてくれていたので、内心「おお、すごい!」と感激しました。

お話は、まず、「まんまるさん」、新作の「スイカ」と、わかりやすそうな「ウサギ」さん、「パンダさん」で、お子さんたちの気をひきます。
「まんまるさん」の威力はいつもすごいなあー。

それから、「ととけっこう」でお名前を聞いて歌いながら、紫のパネルペーパーを一つずつわたして、全員歌い終わったら、はりにきてもらいました。(赤ちゃんはママが代理で)

そして・・・さらに新作!「ブドウ」です!
まんまるさんが1こでない!という画期的(?)なアイディアを考えてみました・・・
(だんだん脱線・・・?coldsweats01

新顔さんが多いのと、立って歩けるお子さんが何人かいたので、場の雰囲気にお子さんが慣れてないようすなので、手遊びはさぐりさぐり(笑)「レモンじる」をやってみました・・・が、ややいやがられたので、今日はこれだけ(笑)。

すぐに絵本にうつります。
こひつじ文庫さんの赤ちゃんのお話会を見せてもらったとき読んでいらして、これはいい!
と感動した、

『ぶーぶーぶー』rvcar

本のくわしいことは、リンク先を見てね。
わりといつも、男の子率が高いのでいいかなーと。

絵本となると、だんだんこちらを向いてくれます!

それから、夏休みにバンコク子ども図書館の参宮さん(仮名)に教えてもらって大感動した(笑)、

『わにわにのおふろ』

これもほんとーーにおもしろいんです!
わにさんが「うりうりうりうり オーイェー」と歌うシーンは大好き!karaoke

これ、大型絵本があるらしいんですよね。
ほんとうは、大型絵本だと迫力あって、喜んでもらえそうなのに・・・地元の図書館は大型絵本は館内閲覧のみで貸し出してくれないんです!
なんでよーケチーpout

そして、まだみんな静かなんで、いそいでお母さんのために、お月見のシーズンの定番

エリック・カールの『パパ、お月さまとって!』moon3moon2moon1fullmoon

そして最後に、「まんまるさん」をまたやって(困った時の?まんまるさんだのみ~)終了。

ほんとうに、教育的もくろみもなーんにもなくて、自分が知っているおもしろい絵本を
「これこれ!」と紹介したいだけの意図のお話会なんです。
また、お気軽に参加してね。

前回のお話会の本などはこちらです。

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2009/09/26

ピッツバーグと絵本『ともだちのしるしだよ』

昨日の『はじめましての絵本たち』で紹介していただいた絵本で、もう1冊とても気になった絵本があったんです。
よほど買おうかーどうしようかーと悩んだんですが、もう本箱に場所がない(昨日購入した絵本はバンコクのお話会用に寄贈するので)ということで、やめたんですが・・・。

それがこちら。
Tomodachinosirusidao

『ともだちのしるしだよ』という絵本で、岩崎書店から出ています。紹介ページはこちら。

この表紙でもわかるように、とても珍しい中近東ふうの人物たち。
アフガニスタン難民キャンプが舞台の二人の少女の物語なんです。

ところが、絵本が今手元にないので、どちらか忘れたのですが、作者のお一人が、

「ピッツバーグ難民センター」所長、ということで。
そこで、難民の方々の体験談からできた絵本ということなのですが。

ピッツバーグといえば!
昨日、G20が開催されたのですよね。

昨日の夜BSの「きょうの世界」というニュース番組を観ていたら、もうずーっとピッツバーグからの中継でした。
なんたる偶然!
ピッツバーグにそのような施設があるとは知りませんでした。

そして、もう一人の作者の方は、世界の子供たちが危機にある国に住んで、そのような物語を絵本にしている方だそうです。

さらにこの絵本で注目したいのが、翻訳した方が、現役高校生ということ!

「第15回いたばし国際絵本翻訳大賞」という賞があったらしく、そちらで最優秀翻訳大賞、を受賞した本だったらしいのです。

こちらにサイトがありました。

アフガニスタンについて、ピッツバーグの人が絵本にして、それを日本の高校生が読んで翻訳する。
すばらしいボーダー越境だと感心しました。
絵もとても美しかったのですよ。

なお、いたばし国際絵本翻訳大賞について調べてみると、いたばしボローニャ子ども絵本館主催で、

「いたばし国際絵本翻訳大賞は、ボローニャから寄贈を受けるようになったことを契機にその翌年から始まったものです。絵本の翻訳をとおして、国際理解と文化交流に寄与することを目的に実施しています。
寄贈された絵本の中からテキストを選定し、英語部門とイタリア語部門の翻訳作品を募集しています」

ということでした。

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2009/09/23

がんばってます!

10月2日のYA文学のお話用資料をA4で4枚にまとめ終わりました・・・
あとは、明日、たくさんあげた本の、出版社や出版年を調べて付け加えるだけ。

・・・がんばったなー!happy01
できあがった資料を見直すためにプリントアウト。
そして・・・いつもそうなんですが、この完成の時だけは、
「私って天才じゃなーい?!」happy02
と、超自己満足するんですよねー。

・・・で、時間がたつにつれ、じわじわとあらが見えてくるとゆう。coldsweats01

当日終ったら、どんなお話かレポしますね。
自分の話を自分でレポする。
なんて画期的なブログだ!(笑)

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