2008/09/04

9月12日から「イランの絵本」展!

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今週は期せずして、旧交?をあたためる週になりました。
昨日は、台湾駐在時代の友人から電話!
当時同じ1歳児をかかえ、台湾で助け合っていた一番の仲良し・・・その後私のバンコク駐在でいったん連絡が年賀状のみ、という時期もあったのですが、彼女の思いがけない大病と手術・・・のとき私に連絡してくれて、そして昨日は無事生還の連絡!
すごくうれしかったです。
私は、自分が出なければいけないとき(おもてなしとかアテンド)という役割があるときは、かなりしゃべりますが、もともとは本にもぐりこんでいた言葉足らずの子どもで、今も人づきあいは下手なほうなんです。
それが、彼女が一番苦しい時に私を思い出してくれて連絡をくれた・・・というのは、心配でもありましたが、今彼女が生還となってみるとうれしくありがたいことです。
「北京語まだ覚えてる?」とかものすごく久しぶりに台湾ネタの話ができました。

そして今日は、「関東ローム層婦人会」。(笑)
はしりの松茸ごはん?のヘルシーランチと、ミニミニそばぼうろを楽しみながら、話題はお二人のくわしい、舞台中心。(画像はクリックすると拡大します)
「ミス・サイゴン」に2004年に出会うまで、日本の舞台のことは全く知らなかったので、本当に楽しかったです。
しかも人見知りな私?にとっての比較的新しいお友達。これまたありがたいです。

そんでもって明日はバンコク仲間との集い。

そんな中、今日帰宅すると、きれいな絵ハガキが1枚届いていました。

またまた「イランの絵本」展が、渋谷パルコLOGOSギャラリーであります!
くわしくはこちら。
9月12日から26日までです。

主催のサラームサラームさんのことは、イランの絵本シリーズの奥付にあったホームページのURLから知ることができたのですが、前回の絵本展ではお会いすることもでき、貴重な本をたくさん見せていただいて、また世界が広がりました。
準備や絵本など、くわしい内容は、こちらブログ「Salam×2の雑談」で。
実は愛読していて、もう少し時期が近くなったら、こちらでも記事にしようと思っていたところでした。

イランという国が、児童文学大国であるという、メディアではほとんど知られていないこと。
もっと、日本での認識が広がってほしいと思います。

ということで、こんな私ですが、また何かありましたら、ご連絡お願いしまーすhappy01

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2008/08/31

上橋菜穂子『獣の奏者』を読む!

もし上橋さんのアジアン風ファンタジーが英語に翻訳されて欧米に紹介されるなら、この本からがいいのではないか、と読み終えてため息とともに思いました!

『獣の奏者』Ⅰ闘蛇編

『獣の奏者』Ⅱ王獣編

少女エリンと王獣リラン・・・という架空の生き物。はたして心の交流はできるのか。その交流はなにをもたらすのか。
これが、エリンとリラン、という交流を描くだけで、この世界の風土や政治状況、そこからもたらされる自然や人間の営み、考え方全体に対する考察まで世界を広げるという手腕・・・
それでいて、登場人物が一人一人魅力的・・・

そして、上橋ファンタジーですばらしいのは、架空の土地の架空の料理をレシピからいかにも美味しそうに描いていること!
なんですよね。『守り人』シリーズもそうでしたよね。
たとえば、ナルニアでも美味しそうな食卓は出てきますが、お料理はこちらの世界と共通のものだったかと。
このあたりが、「文化」を真に迫るものとして、よく表しているんですよ。

これはもう・・・「神」!(またまた言っちゃいましたcoldsweats01

ですから、アジア風でありながらも、それは西欧社会の思想にも通じる物語であり、かつ独創的な架空の生き物の描き方なので、ぜひ世界に紹介したらいいなと思ったわけです。
もし続編が書かれなければ、長さもちょうどいいのでは?

続きは少しネタバレありです。


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2008/08/26

国際子ども図書館で見たヴォイチェフ・クバスタの美しいしかけ絵本

上野の国際子ども図書館では、今9月7日まで「チェコへの扉」という展示会を3階本のミュージアムで開催しています。

イジー・トルンカや、チャペック、「おおどろぼうホッツェンプロッツ」といった、新旧の絵本や児童書が並んでいるのですが・・・。
実は今、月3回だけ、この図書館に行ってタイの絵本購入リスト作成の仕事をさせてもらっています。
で、今日お昼休みにのぞいてきたのですが・・・。

そこにとても美しいしかけ絵本があったのです!

ヴォイチェフ・クバシュタ。

知りませんでした・・・しかも岩崎書店から何点も翻訳出版されていたらしいのですが、いい具合に色がさめて、ますます美しくなっていました。
当然絶版・・・?
「シンデレラ」「しらゆきひめ」「ヘンゼルとグレーテル」「かえるのおうじ」「おおかみと七ひきのこやぎ」「七わのからず」、そしてオリジナルキャラクターの「トップとタップ」シリーズから「じどうしゃをつくる」。
チェコの輸出産業として、200点以上も製作したそうです。

しかし、検索してみると、しかけ絵本界ではメジャーだったのですねえ。
たくさんありましたが、個人の方のブログばかりなので、美しさをお伝えする画像がないのですが・・・
どうぞみなさんで検索してください。

実はPENという雑誌の2008年6月号「特集 美しい絵本」にもとりあげられていたらしいのです。
もしみなさんのお近くに、クバスタのしかけ絵本が来るというイベントがあったら、ぜひのぞきに行かれることをおすすめします!

ちなみに・・・
やっと時間の使いかたがわかって、今日は眠くもならず仕事できました。
が、実は、その前の出勤日、朝うちのネコが、以前やった臭腺膿炎を反対側のほうをやってしまって、獣医さんにかけこむために、早くも欠勤してしまったんですね~~。
ほんとうに、ハケンの人だったら、クビですよー。

今日、欠勤届を書くとき事情を話したら、理由のらんに、「まぁあまりネコの体調不良とは書かないほうが・・・」と笑ってくださったので、「体調不良(家族)」と書いておきました・・・。

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2008/08/08

日本の民話に走る女の子はいない?

先日図書館で仕事させていただいたとき、おとなりの席にいらした方が、民話の研究をされているとい方で、少しこれまで疑問に思っていたことを尋ねさせていただきました。

以前、仲村修先生が翻訳編集された『韓国昔ばなし』(上・下)を読んだとき、印象に残ったのは、韓国の民話では、女の子が走って旅に出て、活躍するパターンが多い、ということだったんです

これは、ロシア民話でもそうではないでしょうか?

ところが・・・日本に来ると、「かぐや姫」「うりこ姫」と、家にこもってますよね。「鉢かつぎ姫」も放浪はしますが、鉢をかぶせられていて、とてものびのび走って活躍、ということはない。

「走る女の子」って日本の民話にいますか・・・?
とお聞きしたら・・・

「うーん・・・ないですね・・・でも山姥はよく走ってますよ」

そうか!日本では女性は山姥にならないと走れないんですね!

ちょうど、『守り人』シリーズを読んでいるところで、山姥みたいなトロガイ師や、中年?と紹介されるバルサたちがどんどん走っているところを思い出して興味深かったです。

誰か、このことを深めて、論文書いてほしいです~~。

ちなみに、タイって案外民話っていう形は育っていないような気がするのですが・・・?
むしろ、説話が多いですよね。
そんな中、民話でなく、史実が伝説化した形で、三大女傑はいますよね・・・(スリヨータイ妃、プーケットのタオ・テープ姉妹、コラートのタオ・スラナリー)。
自ら戦いに赴くということで。

日本の歴史上有名な女性は、巴御前、静御前以外は、わりと家の中にいるのでは・・・?『篤姫』もそうですが・・・。

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2008/08/03

『夜のピクニック』

恩田陸さん『夜のピクニック』。
今さら・・・という感じですが、あまり親しんでいなかった、日本の青春小説に追いつけ追い越せ!いや、追い越すってどこへ・・・coldsweats01

いやーーーーーーーーーとってもよかった!
ほんとによかった!
もうホントに読んでよかった、出会えてよかったーーー。

歩行祭、という1日のイベントに、この高校の生徒たちの三年間がすべて凝縮されていて・・・。
これこそが、「生きる!」という作品ですよーーーーー。
そして高校生活、という感じですよーーー。
高校生たちの集団の中にいる気持ちになれます。
歩行祭に転校で参加できなかった生徒さんにも注がれる作者のやさしさ・・・。

ううううーー、青春だわーー。

今年読んだ中では、最高の1冊!
(それと『一瞬の風になれ』)

おおぜいの生徒がわやわやしている学校ものが好きなんですよねー。
たとえば『あしながおじさん』(大学を卒業したジュディはいっきにおもしろくなくなる・・・)『ハリー・ポッター』シリーズ、『絶望先生』・・・。
『コードギアス・反逆のルルーシュ』もときどきアッシュフォード学園の生活が出てくるところがいいんですよねー。
だから、学校ものといっても、おおぜいの生徒がもりあがっているのに、さめちゃってる主人公の『樹上のゆりかご』はあまり好きではありません・・・。
(作品の評価とは別ですよ。好きかきらいかだけ)

このところ少しずつあき時間が回復してきたので、遠ざかっていた日本の本の読書に集中しようとしています。
すっかり内容を忘れている『守り人』シリーズも、新しい続編に追いつくために、一から借り直しています。
昨年は翻訳時評を担当していたので、海外もの以外あまり読むよゆうがなかったので・・・。

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2008/08/02

『シズコさん』『きみの友だち』『医学のたまご』『ラン』

佐野洋子『シズコさん』重松清『きみの友だち』海堂尊『医学のたまご』、そして森絵都『ラン』。

実はこれ、バンコク子ども図書館に寄贈した本です。
正確にいうと、前3冊はバンコクへ行くときの飛行機内で読んでそして寄贈。『ラン』だけまにあわず、今読んで、夏に参宮さん(仮名)が帰省するとき、託すつもりです。

バンコク子ども図書館の新刊購入はとても充実していて、教師や幼稚園の先生、文庫経験者の方々がたくさんいますから、私の出る幕なし(笑)なんですが、読書力のある、高学年から大人まで読める本・・・児童文学と大人の文学のボーダーラインにあり、しかも新しい本に関して、これはどうだろう、まだ買ってないだろうというのを選んでみました。
といっても、私も読んでいなかったので、勧められる方のことばのままに。

『シズコさん』は、『百万回生きたねこ』『おじさんのかさ』などで有名な絵本作家佐野洋子さんの、実のお母さんとのかっとうを描いた本。佐野さんの絵本が好きな方にも、親子関係に興味のある方にもいいかと思いました。

『きみの友だち』は、私はこれまで読んだことのなかった重松清さん。でも作文講師の先生仲間でとても評価が高いので、何冊か名前をあげてくださった中で映画化もされるということで、選んでみました。

『医学のたまご』これは単に、海堂尊さん好きなんですが、『日本児童文学』の7-8月号の創作時評でこの作品がYA文学としてとりあげられていたので、あ、そうかと。

『ラン』何も言う必要のない森絵都さんです。

どれも、読んでみて感動を呼ぶ、子ども図書館に置いてもふさわしい本でした・・・が

(続きはネタバレあり)

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2008/06/25

『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』待っていた伝記!

東京大森にある、「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」のオープンハウスに参加させていただいたのは、このブログを作る前ですから、4~5年前のことでしょうか。

こちらは、あの『赤毛のアン』を翻訳された村岡花子さんのご自宅ですので、広いミュージアムではありませんが、さっきまで村岡さんがお仕事をされていたような書斎に続くリビングで、お孫さんの美枝さん、恵理さんご姉妹から、参加した「アンの腹心の友」4~5人でティーとともに村岡先生のことを語っていただく・・・
夢のようなひとときでしたheart04

ずっと前から、私の関心はアンとともに、村岡先生ご自身のこととなっていました。
女性の地位も低く、学問も許してもらえなかった時代に、どうして英文学の翻訳をされたのか。

そこで、そのとき、
「私は村岡先生の伝記がとっても読みたいのです!」
と言ったところ、お二人から、
「実は、今書いているんですよ!」
とのうれしいお知らせ。

「ところが調べれば調べるほど、まず祖母(村岡先生)の両親の経歴からおもしろいことがたくさん出てきて、なかなか仕事が終らないんです。気長に待っていてくださいね」

村岡先生のお孫さんが書く!
これほどふさわしいことがあるでしょうか!

そして、今年、『赤毛のアン』原書出版100年の年、ついに待っていた評伝が出たのでした・・・。sunshine

『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』マガジンハウス。

そして、調べれば調べるほどおもしろいとおっしゃっていたので、細かい字のぶあつい本かと思っていたら、意外にふつうのサイズの本で、しかも活字も大きめ・・・。
ちょっとものたりなーい、もっとぶあつくーと、私からすれば思ったのですが、すぐ、その世界にひきこまれました・・・。
まるで物語のように書いてあるのです!

社会主義運動に身を投じた理想主義の父親に期待をかけられ、「給費生」として東洋英和女学校に入学。
しかし、その下の7人の弟妹はすでに貧しさのため、学業ならなかったのでしたが・・・。

そんな中、花子さんは、カナダ人宣教師の先生がたのいらっしゃる寮での別世界の生活を送ります。
それがまたもうーー、吉屋信子さん、もしくは『マリア様が見てる』(笑)の世界!←若いヒトのためにわかりやすいようにつけたしました。

そんな中、本が好きだった少女花子さんは、図書室の洋書・・・カナダ人宣教師の先生が「良書」として選びぬいた本・・・を、かたっぱしから辞書をひきひき読み始めます。
そして、15才になったときは、ミルトンやテニソンもたんのうするほどに。

もうここで、『アン』を翻訳するために必要な下地が形成されていたのですね~~~~。
『アン』は聖書はもちろん、かなりの英文学の古典の素養がないと、読めないんです。
しかも、生活をともにし、交替で先生のお部屋の清掃なども担当し、先生たちに生活の規律から、ベッドメイキング、お茶の時間まで教えてもらっていた花子さん、その生活こそ、アンが生きていた同時代の生活だったのです!
日本が貧しかった明治中後期に、花子さんは、寮で、アンと同じお茶やレアケーキをいただいていたのですってlovely
若い先生の中には、センスのいい「ふくらんだ袖(パッフトスリーブ)」のドレスで教壇に立たれる方もいらしたのですって!


もう、『アン』を翻訳する星の下にお生まれになった方だったのですねーー。

ちなみに・・・大学院で「テニソン」やりましたが、さっぱりこっぱり、訳がむずかしくてダメダメでした~~~。

しかもしかも、花子さんは、寮で、柳原白蓮(後の)と、まるで姉妹のように親密に~~。
そのいきさつやら、お手紙やら・・・ああ~吉屋信子さんだわー(または『マリア様が見てる』)。
さらには、芥川龍之介の「想い人」で聡明なアイルランド文学者片山廣子さんとも親密だったとは~~~。

花子さんの行く手には、かならずかわいがってくださる年長のステキな女性がいたのでした。
そうはいっても、たとえ友人でもちょっとした年の差からくる微妙な生きる力の違いなども、よくわかりました。

で、実は吉屋信子さんとも後に当時数が少ないためにまとまっていた、女流文学者仲間として交流があったということなのです。

もうーーステキすぎですぅーーー。

夏休み、緑陰の椅子で、時を忘れて、村岡先生の復刻版の随筆『をみななれば』『改訂版生きるということ』や、これも復刻された片山廣子さんの随筆『燈火節』、そして田辺聖子サンの『ゆめはるか吉屋信子』、林真理子さん『白連れんれん』などを、関連するものとして、ゆーっくり読めたらどんなにいいでしょうううーー。

もちろん、村岡先生の翻訳による『リンバロストの乙女』『スウ姉さん』を訳した思いもわかりましたので、これも読み返してみたいですうー。clover

そのときは、家事料理はメイドさんと執事さんがやってくれること希望で(笑)。

このブログ内での関連記事です。PE島の写真があります。ようこそ「赤毛のアン」の世界へ

PS.村岡先生は「ものを捨てられないタイプ」だそうで、そこで今でも、原稿だのなんだの、「お宝」が残っていて、見せていただけたのです。
ビバ!「ものを捨てられないタイプ」(笑あんど自分への言い訳・)

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2008/06/23

『大人たちの絵本部屋』と『花の都バンコク』

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バンコク子ども図書館ボランティアをやっていたときの楽しみの一つが「お話会」のための選書でした。
お話会をやる私たち企画グループのメンバーが、図書館を閉館しての作業日に、ミーティングとして集まり、図書館内の本や、自分の本などおすすめ本を持ってきて見せ合って検討するんです。
図書館に、こんな絵本あったんだ!と気づかせてもらったり、知っていたけれど、あらためてほかの人から説明してもらうとおもしろさがわかったり・・・。

自分ひとりでネットからおすすめ絵本を見ることもできるのですが、やっぱりそういうふうにして教えてもらったり、語り合ったりする、堅苦しくない場がほしいー、と思っていたところへ、こひつじ文庫さんのブログ、「大人たちの絵本部屋」という催しがあるのを知りました。
場所を移してということらしいのですが、その新しい場所が家から行きやすいところだったので、急ぎ申し込み。
定員が1回5人ということでしたが、幸い一人分あいている日があったのが今日でした。
今日でよかったー。
7、8月は夏休みだそうですので。

「百貨店・商店街・スーパーマーケット・市」というくくりで集められた絵本を、とことこペンギン隊さんが説明してくださるのです。

くわしい内容はこひつじ文庫さんを見てねー。6月16日のところですよー(他力本願・笑)。

あーおもしろかったです!
なにしろ、テーマがこれですから、どの本も、ぎっしりと売り場のようすがこまかーく描いてあって、自分でさがしきれないおもしろさを教えてもらえました。
それに、わりと出版年が新しいものだったので、知らない絵本のほうが多かったです。
絵本も出版点数が多いので、追いかけ切れません・・・。

また、違う絵本作家さんがそれぞれの絵本の中に、「けんぶち」ということばを野菜売り場などにしのばせてあることも教えてもらい、それも知りませんでした!
実は、
「道の駅 絵本の里 けんぶち」というところがあるんだそうです!
サイトがありました、こちらです。

それにやっぱり、ほかの人に読んでもらうのはおもしろいー。

バンコク子ども図書館への寄贈用にどれか購入しようと思いましたが、どれもよくて迷いました・・・でもお話会にも使えるというのを基準に選びました。
まぁそれでも、30人くらいのときが限度かな。
100人来たら(それくらい来るのも珍しくないんです)ちょっと絵が見えにくいかも・・・。
このあと、本リストを続きを読むに一応書いておきます。

個人的には、やっぱり西村繁男さんの『にちよういち』はすごいなぁと思いましたが、この絵本は、土佐300年もの歴史のある日曜市を描いています。
が、土佐行ったことないんですが、街路樹とかが椰子?っぽくて、南国調で、ちょっとタイに似ているんです。道路ぞいの木陰でござをしいて寝ているおじいさんのようすも含めて。

タイでもこういう「タラート(市)」を描いた絵本あればいいですねー。
タイの絵本って、まだ「教訓的」から抜けきれていないので、ただ無目的におもしろく描く、しかも字が少ない、という絵本がなかなか。
一つ思い出すのは、お買い物が主の絵本ではないのですが、お店のようすが細かく描かれているということで、以前紹介した
『花の都バンコク(バンコーク・ムアン・ドークマイ)』(ポンアノン・ニヨムカー文、ワチラーワン・タップスア絵)。

スキャンした画像があまりよくないのですが、拡大して見てみてください。
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「わんわん動物病院(ボクボク・サットペート)とか「しんせつ薬局(チャイディー・ペーサット)」などという名前の中に、作者ポンアノン先生のお嬢さんが経営しているレストラン「マンゴーレイン」の看板や、

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ポンアノン先生の友人絵本作家チーワン・ウィサーサさんの名前をとった「チーワンおもちゃや」に、

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同じく友人絵本作家プリーダー・パンヤーチャンさんの名前をとった
「プリーダーカフェ店」も。

では続きに見せていただいた絵本を。

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2008/06/18

母目線で読む『一瞬の風になれ』と『バッテリー』

とうとう、図書館の棚に佐藤多佳子さん『一瞬の風になれ』が3巻そろって置いてあったので、借りて読むことができましたー!
ほんと、回りのみんなの言うとおり、おもしろかったー!
昔のスポ根ものとちがって、主人公の気持ちの動きが現実的で細かに書いてあるところがおもしろいです。
それはあさのあつこさん『バッテリー』でも感心したところなんです・・・。

どうして女性作家なのに、少年の心の動きをここまで追い詰めることができるのだろう・・・と。ただし、『バッテリー』は1、2巻は児童文学として本当におもしろかったのですが、その後、どうも「萌え系読者意識?」みたいな感じになってきて、ちょっと気持ちが離れてしまいました・・・。

でも『一瞬の風になれ』は気持ちのいいお話でしたー。
しかも、主用キャストの一人の名前が私の好きなコの名前で・・・lovely
キャラ的にも似てるんです。
作者は『しゃべれどもしゃべれども』の方なんですが、『イグアナくんのおじゃまな毎日』もとってもおもしろいんです。

それにしてもですね、二作品ともやっぱり、どうしても「お母さん」のことが気になったのです・・・。
日本の思春期児童文学に出てくるお母さんって、なんだか「わざとらしい」性格づけな感じが多くて、あまり好きになれなかったのです(PTAにいても、話が通じなさそう・・・「勘違い」お母さんと紙一重だわーとか)。
それはちょっと前記事にして、いい話だーと感動した『緑の模様画』も同じで、お母さんたち像がちょっとねーー・・・だったんです。

しかし、『一瞬の風になれ』のお母さんはシアワセだなーーー。
『バッテリー』のお母さんは主人公から見たら、ちょとやなお母さんだけど、これも自然で、「あり!」と納得できました。
で、二人とも、「男の子二人きょうだい」ママなんですよねー。
しかも、体育会系なんですよね!
いやー、文科系女の子ひとりっこママとしては、興味しんしん!
かっこいい男の子ももう一人いてもよかったなー。

続きは、ちょっとだけ『一瞬の風になれ』のお母さんが何をしたか細かいところを書いています。
大きいネタバレでないんですが、まずご自分で味わいたい方はご注意ください。

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2008/06/10

スリランカの絵本続々翻訳されていました!

今日二つ目になってしまいますが、気がついたら、明日が返却期限なので・・・coldsweats01

『かさどろぼう』や『きつねのホイティ』などの作者シビル・ウエッタシンハさんは、読み聞かせ界?の中では、スリランカ発世界レベルの異色の絵本作家として有名で、私もファンなのですが・・・
いつも「本情報の師匠」の、右リンクこひつじ文庫さんから「「こどものとも」でウエッタシンハさんの新作が出たと教えていただいて、急ぎ買いに走りました。
『ポッダとポッディ』といい、スリランカのお百姓夫婦のお話でした。

「こどものとも」は福音館から出ている月刊ペーパーバックで、最近こどものとも世代の子どもが身近にいないこともありごぶさたしていたのですが、油断ならないですねー。
ちゃんとこれから、図書館でチェックしようと決めた次第。

しかも、期待どおり、解説には、翻訳された松岡享子さんのシビルさん情報が!
いつも、スリランカからなぜこのようなレベルの高い絵本作家が登場したかシビルさんのお話を聞きたい、と思っていたのですが、それも載っていました。
シビルさんの絵本はスリランカでは、「おもしろいから」と低く見られがちとご自身おっしゃっているのに驚きました。
やはりスリランカでも、本来絵本は「ためになるもの」でないといけないのでしょうか?

さらに、読者さんの投稿から、実はこどものともから、ほかにもスリランカの絵本が翻訳されていることを知って、こちらは図書館でリクエストしました。

ブリヤンカ・カルアーラッチ作・『かかしのひみつ』これもスリランカのお百姓さんの文化が描かれていますが、かかしがとりに同情して動き回るという発想と絵がとてもゆかい。
日本のボランティア団体「スリランカの教育を支援する会」の絵本製作プロジェクトから生まれたそうです。

そして、プンニャ・クマーリ作『バンダさんとゾウ』。
こちらは、スリランカのゾウの文化を描いていて、タイとも共通するものが。
作者は結婚を機に日本に住むようになり、日本の絵本文化の豊かさに感動して、スリランカの子どものために・・・と独学で絵本をかき上げたそうです。
これもまた、タイのポンアノン先生の絵本と関わるきっかけと同じですね!
スリランカのゾウのお祭りキャンディのことも描いてあります。

タイの絵本は、なかなか日本で出版されないのですよねー。
だから、3冊も!とびっくりしました。

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2008/05/30

台湾の人気絵本作家ジミーさんNHKに登場!

台湾発で、日本でもたくさんの絵本が翻訳されているジミーさん。
また、その絵本は金城武さんの映画『ターンレフト・ターンライト』にもなりました。
(こちらで、その作品が見られます。)

そのジミーさんが、左リンクしているしのわずりさんの記事によると、6月1日、NHKに登場されるそうです!
アース・ウォッチャー 6月1日22時40分から50分。
再放送情報などもこちらのリンクからごらんください。

私は上リンク以外では、『ほほえむ魚』が一番お気に入りかな・・・。
どちらかというと、ほんとうの子どもより、上の年齢向けの絵本が多いようです。

実はジミーさんはサイトにもあるように、白血病を克服された方。
そこから来る人生観が心にひびきます。
タイも応援していますが、台湾にも2年住んでいたので、こちらも応援しています!

なお、大阪国際児童文学館さんから、
『論文集 台湾の絵本』が出版されていて、台東大学児童文学研究所の先生が「台湾におけるジミー現象」という論文を書いておられます。
論文といっても、どれもおもしろくて読みやすく、台湾に住んでいた私も
「へえー!」と事情がわかり興味深いです。

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2008/05/27

高楼方子『緑の模様画』喜びと気持ちのよさを描くファンタジー

ひさしぶりに、日本の作品でおもしろいものを読みました。
高楼方子さん『緑の模様画』です。
『日本児童文学5-6月号 特集子どもの文学この一年』で、二人もの執筆者の方が、この作品をほめていた、ということで興味をひかれたのです。
(ちなみに、私も1部門担当して書いてまーす。買ってねheart04

高楼方子さんといえば、読み聞かせをされる方にとっては絵本『まあちゃんのながいかみ』シリーズの作者、で、ヤングアダルト好きにとっては、「和風ファンタジーの草分け」的な方。

最初高楼さんのファンタジーは、かなりイギリスファンタジーの影響が強かったように思うのです。
でもだんだんと日本のファンタジーの書き手の方々はみなさん、キリスト教的神さまの存在が無い日本には、イギリスファンタジーを模倣してもその良さが出ない、ということに気がつかれたのか、どの方もそれぞれの異なる道を考えられ、その結果今では読みごたえのある日本ファンタジーがたくさん出てくるようになったと思います。

そんな中、高楼さんは、全て読んだわけでないのですが、とてもたんたんとした、日常にひそむファンタジー・・・日本風メルヘンの延長といった感じになってこられたように思います。
こういう作風は、登場人物の心のひだが的確に描かれていないと、ほんとに気のぬけたものになってしまうのですが、(ファンタジーとは、ダイナミックな「憧れ」を描いてこそ、と私など思うので)この作品では、それがうまく成功していると思いました。

いえ、たぶん高楼さんは、この作品をあえて「ファンタジー」と意識して書かれたのではないかもしれません。
でも、初期の作品で、「日本にもすばらしいファンタジーの書き手の芽が」と期待していたので、やっぱりそれがどうなったかと思わずにはいられないんです。

この作品の良さは、三人の、少し「はずれた」ところのある少女たちが、あっというまにお互いを理解者と認め、楽しい仲間になる、というところなのですが、その「気の合いかげん」「楽しい遊び」が具体的に書かれているのがすごいなぁと思うんです。
しかも、互いに、会話を通して、気持ちのよさを学ぶ、というところが、新鮮なのです。
なにしろ、何かあると、メールで「死ね」と互いに言い合うご時世ですから・・・。
(ちなみに、この少女たちは、携帯は持っていません)

そんな三人に、「仲のいい三人の少女がそれを見たらかならず仲たがいして永遠に別れてしまう」というジンクスがふりかかってきます。

そしてまた、過去の悲劇を思わせる、やさしい茶色の目の青年が三人の心に波紋を投げかけます・・・。

はたして、三人はどうなるのでしょうか。
三人をいとおしみながら、楽しみに読みました。

それにしても、三人を最初に結びつけたきっかけが「小公女」なのですから、やっぱり高楼さんは、まだイギリス児童文学への愛が残っているんだなあと思わされました。

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2008/04/24

イギリスの児童文学切手

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引越しの整理をしていたら、こんなのも出てきました・・・。
ずーっと前イギリスに留学した後輩が、イギリスから送ってくれたお手紙に貼ってあった、児童文学切手です!
写メなので見えにくいですが、アリス、ピーター・ラビット、赤ずきんちゃん、パディントン。
かわいいー、シートでほしいよー。
そして、この部分を切って、ミニ額に入れてあるんです。
だいたい、こんなものばっかりで・・・
しかも、ちっちゃいものばっかりで・・・「砂漠のばら(石)」だの、猫の絵の飴の缶(台湾製)だのぺらぺらマンガのチェシャ猫(NY製)だの・・・。
引越しの荷造りは、引越し業者さんが三人助っ人に来てくれるんですが、内心絶対うんざりすると思いますcoldsweats01
あと、本も多いし、マンガも多いし・・・。
同人誌みたいなっぽいものは、自分でつめましたが・・・でも案外つめに来てくれるひとも腐女子だったりして・・・んなことないか。
しばらく、更新とどこおるかもしれません・・・と言いながら、パソコンに向かっているのがくつろぎのひとときなんで、(本も借りてこられないし)、ネタがなくてもこちょこちょと・・・。
最近内容のない話ばっかりですが、自分の気分転換なんで、ほんとすみません。

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2008/03/07

かつら文庫NHKに

子どものとき児童文学好きなら、必ずお世話になったであろう石井桃子先生のご本。
その石井先生がいい子どもの本を送るためにも作った子ども文庫である「かつら文庫」。
石井桃子先生は100歳ですが、かつら文庫は50年ということで、いろいろ記念行事がありました。
私も知っていたのですが、おりあいがつかず、かつら文庫のオープンハウスも2日3日にあったのですが、いけませんでした。荻窪にあるそうですが、残念でした・・・。

と思っていたら、今日偶然、夜6時からのNHKのニュース?の中で、とりあげられているのを見ることができました!
きれいに並べられた、昔からの岩波書店の本。
エルマーとりゅうのお人形。
明るい室内、借りに来る子供たち。
オープンハウスの日は松岡享子先生も貸し出し業務をされているご様子もありました。
ああー行きたかったなーー。

本の部屋!石井先生のお仕事もとてもうらやましいです。
生まれ変わったら、石井桃子先生になりたいくらいです・・・でも、少しでも今、子どもの本関係のコトにたずさわれているのだから、いいですよね。

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2008/02/19

『青いチューリップ、永遠に』待望の続編!

おおー、図書館に行ったら、いつのまにか新藤悦子さんの『青いチューリップ』の続編が出ていました!
『青いチューリップ、永遠に』
前作もむちゃくちゃおもしろかったんですよ!日本児童文学者協会新人賞の作品なんですが、それまでは、中近東でじゅうたんの製作などを学ぶことを中心に、ノンフィクションを書いてられた方なんです。

そのときの中近東の文化について得た経験と知識を惜しげもなくもりこんで、しかもそれで、児童文学としておもしろい作品を作れるなんて!いつのまにそんな才能がかもされていたのでしょう~~~!
私がもし「児童文学国際理解大賞」を作るなら、まちがいなく大賞の1作にしたいです!

そして・・・続編は前編と同じくらいおもしろいというのもすごい!

オスマントルコ時代、青いチューリップの球根をめぐり、さまざまな陰謀や罠がある中を、少年ネフィと、絵師になりたい少女ラーレが、せいいっぱいとびまわります。

今回は、イスラム教以外の世界を知り、「印刷」というものの存在を知るネフィ。
そして、ペルシアに旅立って行方知れずのラーレの父親がかくした、不思議な薬草を知り、それをつきとめようと冒険が始まります。

「ラーレ」っていうのはしかも、「チューリップ」っていう意味なんですって!
全編そんな感じで、冒険もあるけれど、ロマンチックな香気もたくさんあるんです!

一方、イスラム教の世界では、女性が絵師になるのは考えられない世界。
万一絵師になっても、紋様中心で、人物など自由に描くことはできないのですが、ラーレには、内から望まれる自由な絵に対する望みがあります。
しかも、メフメットという超イケメンで性格もいい求婚者が現れます。
(私はメフメットのファンだーー!)
ラーレの望みは、イスラム社会ではむずかしいのでは、と読んでいたのですが、そこに新しい道を見せるのが新藤さんのすごさ!

しかも・・・まだ続くみたいなんです、うれしいー!
これこそ、どんどん読んでいきたいお話なんです。
いやほんと、だまされた?と思って、みなさんもぜひ!

前回私が書いた関連記事はこちら。トルコ・トルコ

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2008/02/01

『ベラスケスの十字の謎』を読む

そして、エリアセル・カンシーノ作『ベラスケスの十字の謎』も読みました。
これは、大きい子向けですが、すぐ読めます。
2006年に出版された当時から、「おもしろい!」と評判だったので、図書館で見つけた機会に借りておきました。
しかも、日本の翻訳児童文学では珍しいことに、スペインの作品です。

スペイン・・・青池保子さんの『アルカサル・王城』のドン・ペドロ王やガルシア・ロルカの詩などにもあるように、そこはフランスやイタリアとまた違う、残酷と情熱に美意識がある国・・・というイメージがあります。

そのぞくぞくするような雰囲気と、ベラスケスの有名な絵画『侍女たち』(左ココナツブックスに表紙の画像をあげておきます。クリックすると拡大しますが、この絵は見たことがある方が多いと思います)にまつわる謎とき、というわくわくする物語でもあります。

絵画は、マルガリータ王女をとりまく侍女、そのようすを絵に描くベラスケス自身、鏡の向こうにいる、王女の両親フェリーペ四世(在位1621-65)と王妃の姿が、まるで一瞬の時を止めたかのように描かれています。

語り手は、表紙絵で色づけされている少年のように見えるニコラス・ペルトゥサト。
彼はいわゆる「低身長」という身体障害者なのでした。
そして当時、スペインの王宮では、王族のなぐさみのために、こうした低身長の人たちや、身体障害者の人たちが集められていたというのです!

そして、ベラスケスのこの絵の人物などについては、後世研究されていますが、二つの謎が残されているそうです。

右手後方のぼんやりした人物は誰か。
そして、ベラスケスの胸にサンティアゴ騎士団のしるしの十字を描いたのはなぜか。

この絵が完成したのは1657年なのですが、絵を描いたときに、高齢にも関わらず、スペイン最高の騎士団であったサンティアゴ騎士団に無理をして入団した。
そして、その十字の紋章をつけることを許されたのは絵が完成した三年後で、その年ベラスケスは亡くなっているのです・・・。

なぜ、ベラスケスは騎士団に入ったのか。
そして、絵が完成した三年後に、ベラスケスの胸に、誰がなんのために、十字を描いたのか。

その答えを、作者が想像力で大胆に解き明かしています。
しかし、謎解きが主というわけでもありません。

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2008/01/31

『ベルリン1945』を読む

『ベルリン1919』と『ベルリン1933』に続いて、ぶあつーい三部作の完結編となる、『ベルリン1945』、ついに読み終わりました!
返却期限までに奇跡的に・・・(笑)。
(『ベルリン1919』と『1933』についてはこちらに)

前二作は、『1919年』が、ヘレという13才の少年が主人公です。ある日突然、小さいときに出征したので顔を覚えていない父親ルディ・ゲープハルトが片腕になって帰還してきます。
片腕の父親には、職さがしも困難です。
一家が住むアパートの一帯は貧困地区で、いつも寒く、ひもじい思いをしている家族は、政治運動に身を投じていきます。
ヘレは、妹マルタ、赤ちゃんのハンスの世話をし、学校では権力の側の教師とのあつれき、裕福な家の少年との友情など経験します。
マルタは5才で、同じアパートの中の内職の手伝いをさせられ、赤ちゃんのハンスは栄養失調で死に掛けますが、からくも助かります。
そしてヘレは「赤い水兵」による革命成就の日を目撃し、水兵たちの中のハイナーとアルノと友情を結びます・・・が、革命はいつのまにかまた、権力の側にとりこまれていくのでした。

そして『1933年』は、赤ちゃんだったハンスが主人公となり、15才になって、工場勤務の第一日目から始まります。父親が共産党にいたということで、1日目からナチス突撃隊の工員に目をつけられてしまいます。
ヘレは結婚し、19才になっているマルタは、貧困から抜け出したい一心で、ナチス党員になったボーイフレンドのギュンターと行動をともにすることを決意し、家族から絶縁されます。
そして、ハンスは、同じ工場で働く少女ミーツェと友達になりますが、彼女の父親はユダヤ人であることを知ります。
ドイツは失業者があふれ、ヘレも奥さんがみごもったというのに、職が見つかりません。
貧困地区でも、ナチス入党に傾く者も出始め、マルタ以外のゲープハルト一家は、なんとかナチスを阻止しようと、政治活動を続けます。
そしてついに、ヘレに娘のエンネが生れたそのとき、ヘレたち夫婦は逮捕されてしまいます・・・。

そして1945年。
それまでは、じりじりとしのびよる戦争の影をたんねんに描いていたのに、ついにクライマックス、終戦まぎわのベルリンを一夜にして廃墟にした大空襲と、終戦のあとも続くソ連軍との最後の激しい銃撃戦という息づまるようすを、防空壕の恐怖とともに、ヘレの娘12才のエンネの目を通して描かれます!
強制収容所に送られたヘレの両親の生死もわからぬままに・・・。

いやー、すっごくおもしろいです!
「戦争児童文学」といっても、一つの考えを押し付けるのでなく、「物語」として没頭できる本なのです。
3巻通して読むと、いろいろなところがリンクしていて、まったくうまくできています
どの巻の少年少女にも、そのみずみずしい感性に、心をうたれずにはいられません。
この子たちが目の前にいるように思えるのです

(続きはぼやかしたネタバレあり)

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2008/01/27

『ねずみのスクラップブック』には観劇のチケットも

右リンクしているブログこひつじ文庫さんの記事で、ミシェル・カートリッジさんの、ねずみのファミリーのかわいいしかけ絵本シリーズに、『ねずみのスクラップブック』があるのを知って、うわあ!と注文したのが今日届きました。
しかけといっても派手なものでなく、とびらが開くとか、お手紙がはさんであったりするものです。
だって、この絵本「てのひらより少し大きいだけのサイズ」なんですもの。
幼稚園のとき娘もお気に入りで、シリーズから『ねずみのいえ』『とけいねずみ』『ねずみげきだん』『ようせいねずみ』を持っていて、今もだいじにとっています。
娘も多忙で絵本どころではなさそう、でも、「スクラップブック」は私が好きなもの!
昔の子ども(私のような)の中には、スクラップ好きがいたのです。
大人でも、新聞を切りぬいて「スクラップ帳(それ専用に売られていました)」に貼り付けていましたよね。
そして、19世紀ビクトリア時代、欧米の少女たちの間で流行したスクラップブックの美しさ。

はたして、どんな「ねずみのスクラップブック」でしょうか?

あ、いろいろなできごとの記念です。
ちょっとネタバレしてしまうと、バレエを見に行ったときのチケットが、本のページにはってある小さいふうとうをあけると出てきます!
ほかにも、いろいろな記念の品がかわいく入っています。
つぼにはまったのは、これもネタバレですが、スイミングクラブの合格証明書でした。

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2008/01/25

『龍のすむ家Ⅲ 炎の星』を読む

2007年に出版されためぼしい本を読む、という作業続行中です・・・で、クリス・ダレーシー『龍のすむ家Ⅲ』。『ベルリン1945』の前に、こちらの返却期限が近づいてきたので急いで読みました。
(延滞すると、予約ができなくなるので・・・)
で、これを読むためには、それ以前に出版されている『龍のすむ家ⅠとⅡ』も当然読まねばならないわけです・・・。
幸い、3冊とも借りられました。
この本、作文生徒さんも「おもしろい!一番好きかも」と言っていたので、前から気になってたんです。

「下宿人募集 ― ただし、子どもとネコと龍が好きな方」

イギリスの大学町で、下宿先をさがしていた地理学専攻の大学生、デービット・レイン。
大家さんのエリザベスとその娘ルーシー・ペニーケトルのおめがねにかなって、無事に下宿することができます。

と、この第1巻のキャッチコピーを見ると、きっと、主人公は子どもとネコに翻弄され、しかも龍も実在して、たいへんなことになる、イギリスユーモアファンタジーかな・・・?と思っていまいますよね。

実際、第1巻は、セリフ回しがイギリスジョークだったり、ちょっとどたばたふうなのもあって、系統としては、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(@『ハウルの動く城』)だなあと思っていたのですが・・・。

その予想は、半分はくつがえされました。
作者も3巻のあとがきによると、「当初想定していたよりも、年齢の上の読者に向けた本へと変化していった
とのことで、それも創作のインスピレーションの導きによるものだそうです。
少なくとも、ねころがって気楽に読める本ではなくなりました。

続きはややネタバレありです。

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2008/01/22

『ピッピの生みの親アストリッド・リンドグレーン』『ペーテルとペトラ』を読む

今日は3ヶ月に1回の眼科健診の日。
総合病院なので、2時間くらい待たされます。で、ちょうどいい読書タイムにしています。
んで、延長してもらった貸し出し期限でさえまた切れ掛かっている本を、次の依頼原稿のために、怒涛のように読まねばならないというのがあって。
以前『サクランボたちの幸せの丘』の感想記事を書いたとき、リンドグレーンはなぜこのように、まっすぐに幸福を描こうとしたのだろうか、と疑問に思っていました。

リンドグレーン自身は、子ども時代は「遊び死に」するくらい遊んだのに、思春期から大人への道では感性をもてあまして、かなり大人の眉をひそめさせる行動をした。
しかも、18才で「未婚の母」となった。
けれどその後、幸せな結婚をした。
という大筋は、、2005年に翻訳の出たシャスティーン・ユンググレーンという人のインタビューを構成した『遊んで、遊んで、遊びました~リンドグレーンからの贈りもの~』という本で知っていました。この原書は実は1992年に出たものでした。

今回年末に行った教文館で見かけ、借りてきたのが、1999年に三瓶恵子さんというストックホルム在住の方が書かれた子どもにも読める評伝ピッピの生みの親アストリッド・リンドグレーン』と、生誕100年ということで、初めて翻訳の出た大型絵本『ペーテルとペトラ』です。
三瓶さんの本も、『遊んで遊んで・・・』を参考にされた部分らしきものがあります。

そして『遊んで遊んで・・・』にはなかった部分。

☆リンドグレーンは作家となってから、ラジオで自作を朗読した。
リンドグレーンの作品は、耳で聞いて気持ちがいいように推敲されていて、翻訳不可能な部分があるが、この朗読がとてもいい、ということだそうです。
それだけでなく、ウイットにとび、「おちのある」(!)話が当為即妙にできるということで、ラジオやテレビでも、コメンテーターやクイズ回答者などタレント活動していた!とのこと!

へえーー!近代的ですね。『赤毛のアン』の翻訳をされた村岡花子さんも、ラジオパーソナリティだったといいます。発言することをこわがらない方だったのですね。

☆リンドグレーンの故郷スモーランドは『エーミール』シリーズの舞台だが、スウェーデンでは「けち」というイメージのある土地。
組み立て家具で出発したイケアも実はスモーランドが発祥の地で、「さすがにけちな土地らしい」と最初笑われたとか。

☆晩年、目が見えにくくなり、創作活動への体力がおとろえてからは、新聞に政治的な意見文(たいていはおもしろい寓話じたて)を書いていた。
時には娘をやきもきさせるような。

☆リンドグレーンは、国民の中に浸透していて、季節ごとに歌われる子どもの歌は、原作を映画化した中で使われた、リンドグレーン自身の作詞による歌が多い。

これも、『となりのトトロ』から生まれた『歩こう』みたいなもんですね。それがものすごくたくさんあるわけですね。

まあここまでくると、リンドグレーンの「幸福賛歌」は「確信犯」だということがわかってきますね。

『ペーテルとペトラ』。

まさに、そのリンドグレーンの真骨頂が表れています。
このお話はリンドグレーンが生涯暮らしたストックホルムのマンションから見える、大きい公園ヴァーサ公園も出てきます。

(続きはストーリー紹介ありです)

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2008/01/21

『ベルリン1919』『1933』を読む

実は、以前から、気がついていたのです・・・この本の存在に。
しかし・・・あまりの分厚さとほかに読む本の多さに・・・気がついていて気づかぬふりを~~~。
そして、今、ようやく当時読み残した分を読んでいます。
クラウス・コルドンのベルリン三部作。
そのうち、『1919』と『1933』まで読みました。
三部作全部読んでからと思ったのですが、ここまででかなり、強い印象を受けたので、自分用のメモとしても書いておきます。

ベルリンといえば・・・今年中村勘三郎丈一門の「ベルリン中村座」公演があるんですよねー。一応ベルリン貯金していたのですが、公演が5月、大学も学期半ばとあって、あえなく頓挫・・・。

それにしても、分厚いし、恐らく重厚な、第二次世界大戦前夜のリアリズムものだろうと、覚悟して読み始めたのですが、いやーおもしろいです。
かねてから、ドイツファンタジーって、なんであんまり自然や森に関係していなくて、書物から来るファンタジーだったりするんだろうと不思議だったのですが、このような政治的混乱の歴史を経ているというのがわかれば、少しナゾも晴れたような気がします。

物語はベルリンでも最貧部に暮らしつつ、志は高く、なんとか政治を変えようとしながらも、荒波に飲まれていくゲープハルトという一家に密着したものです。
1919年のほうは、ヘレという少年。そして、1933年は、ヘレの弟ハンス15才が主人公。
とにかく、今寒いので、この一家の寒い冬のようすが身にしみます・・・。
ドイツで起こったすごいインフレ。
失業者600万人。
そんな数字や言葉だけの知識が、この一家の暮らしに関わってくると、本当に心配させられ、手に汗をにぎらされます。
しかし、それが重苦しくならないのは、ヘレやハンス、そして彼らの父親、彼らの友人ハイナー、といった人たちのキャラクターがとてもいいから。
とくに、ハンスは政治的に過激でもなく、本来はものしずかでおだやか、喧嘩などきらいな少年なのです。
そうした中庸の考え方をする少年が主人公なので、読みやすいのです。
(続きは軽いネタバレありです)

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2008/01/15

幼稚園仲間が「こどものとも」デビュー!

連休前に、娘が幼稚園のときの園長先生から、大きな封筒がどさりと届いていました。
園長先生とは、今も何かあると、連絡をとりあっているのです。
あけてみると・・・おお!
その幼稚園のときのお母さんたちの「絵本の会」というサークル仲間の絵本が出版されるというお話は聞いていたのですが、その現物が!
なんとなんとー、福音館書店の「こどものとも」としてではないですか!
これはすごいことですよ!「こどものとも」に採用されるなんて、並たいていのことではないんです。
しかもしかも、彼女は私と同じ年!
今までくじけずに、がんばり続けて、ついに絵本作家デビューしたのです!!!!

こどものとも年中向き9月号「はだかんぼうはつれていかないよ」

園長先生から、すごく多忙だったので、やっと送れます、とのお手紙が。
そうなんです、幼稚園はキリスト教系。クリスマス会まで、園児のかわいい降誕劇や、卒園製作やらでてんてこまい。
そのほかにも、なつかしい園のおたよりやら、園長先生の研究報告書やらいっぱい。ありがとうございますーー。

「絵本の会」は、月1回、今も活動しているそうですが、いつでもPTAのお母さんなら参加できるので、当時毎回、ポスターを描いていたのが、この彼女。テーマごとに描いたポスターがすばらしかったのですが、オリジナルのキャラクターの絵を見るのは初めて。
彼女、4人の子どものお母さんだったので、かなり長く「絵本の会」に参加していたと(笑)。
そうなんです、絵が上手な方ってたくさんいるけれど、絵本作家になるためには、オリジナルのキャラクターとストーリー作りができなければならないんですよね。

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2008/01/06

『サリーおばさんとの一週間』もしくは『ザ・トロルズ』を読む

お正月休みのひまひまに、ちょっと不思議な本を読みました。
ポリー・ホーヴァス『サリーおばさんとの一週間』、一応児童文学として出版されています。
子どもたちをオハイオに残して、パリに旅行に出ようとした両親ですが、あてにしていたベビーシッターさんが伝染病にかかってキャンセルしてしまいます。
困ったお母さんが、なぜかしぶるお父さんを説得して、お父さんの姉にあたるサリーおばさんに、カナダのバンクーバーから来てもらうことになります。
メリッサとアマンダの姉妹と、末っ子でみそっかすのフランク。
ふうがわりなサリーおばさんは、さっそくバンクーバー島の不思議な話で子どもたちを魅了します・・・。

と書くと、まるで人間味のない父親のもとで育った子どもたちが個性的で人間味ゆたかなサリーおばさんに感化されて、のびのびとしていく・・・
という物語かな、と思ってしまいませんか?

このタイトルからすると。

でも・・・ちがったんです!
これは恐ろしいお話でした。
原題は「ザ・トロルズ」っていうんですが・・・(続きは多少ネタバレありなのでご注意ください)

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