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2008/02/18

ポスト・ハリー・ポッター?『錬金術師ニコラ・フラメル』と『トンネル』

『ハリー・ポッター』シリーズも、今年には完結編の翻訳が日本で出る・・・ということで、一応お祭りの終息が近づいてきて、寂しいですねえ。

そんな中、「ポスト・ハリー・ポッター」候補といわれる二作を読みました。
1冊はハリー・ポッターの編集者が見出した『トンネル』上・下。
もう1冊は、「賢者の石」を手に入れたといわれる、実在した錬金術師ニコラ・フラメルとジョン・ディーの登場する『錬金術師ニコラ・フラメル』です。

全く性格の違う二冊でとてもおもしろく読めました。
どちらも、続きが楽しみです。

今までのファンタジーや神話に出てきたキャラがどんどん登場する『ニコラ・フラメル』と、龍も魔法使いも出てこない異色の『トンネル』。
まだシリーズの始まりなので、どう展開していくかで評価が定まっていくと思いますが。

しかし、『ハリー・ポッター』のような全世界を巻き込んでのムーブメントは、出版社や映画業界がしかけたって、起こるものではないんですよね。

まずは、物語自体が本当におもしろくないとだめですが、それ以外に、こんな要素が考えられると思うんです。

『ハリー・ポッターと賢者の石』が登場して、まだ続刊がそれほど出ていないとき、児童文学の評論の場でよく見かけたのが、「こんな使い古された学校物語に人気が出るなんて。作品的にはたいしたことない」・・・

しかし、「使い古された」?というより、「おなじみの場」があったからこそ、世界中のどんな子どもたちも、すぐ本の世界に入り込めた、ということがあったと思うんです。
確かにたとえば、『ライラの冒険』はおもしろいお話ですが、その特殊な世界を理解しながら読むには、けっこう豊富な読書経験が必要では・・・。

もう一つは、『ハリー・ポッター』の世界は、登場人物以外にも、ちゃんとたくさんの人物がその世界にいる、と感じさせてくれる世界なんです。
だからこそ、読み手は、自分をその世界に入れて遊ぶことができるんです。
これは、『ナルニア』や『指輪物語』もそうだと思います。

今のところ、『錬金術師ニコラ・フラメル』のほうは、「なじんだ世界」ではありますが、主人公の15才の双子、ジョシュとソフィー以外にも、書かれていなくても、そこにほかにティーンエイジャーの愛すべき人間がいる、ということを感じさせてくれるか、ということがこれからの成功の鍵になると思います。双子や錬金術師たちや、神話世界のキャラクターがばんばん出てくるけれど、そのまわりの世界の広がりがちゃんと書けるか、ということです。

一方『トンネル』のほうは、なじんだ世界ではないんですが、こちらは主人公の「アイデンティティー」の追及が、実は『ニコラ・フラメル』より、リアリティがあり、そこで読者の共感を呼ぶのではないかという気配が見えます。
(何しろシリーズ初巻ですから、まだこれからですが)
その意味では、『トンネル』のほうが純文学に近いものを持っていると読めました。

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コメント

おお! それ 読んでみたい~!

よしっ! 図書館で予約だ!happy02

投稿: とろころりん | 2008/02/19 10:20

とろころりんさん

たぶんもう、けっこう予約が入ってるんじゃないかな?

投稿: 管理人チョムプー | 2008/02/19 12:40

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