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2007/12/27

『サクランボたちの幸せの丘』

今年はリンドグレーンの生誕100年記念。
イタリアの絵本作家ブルーノ・ムナリも生誕100年、石井桃子先生は100歳のお誕生日でお元気、と児童文学界では「100」づくしでした。
リンドグレーンはそのために、未訳の作品が出てきたのですが、中でも思わず手にとりたくなる表紙なのがこの『サクランボたちの幸せの丘』です。
昨日の熊井啓監督の社会の問題に真っ向から立ち向かうためには、「暗い重い」と言われようと節をまげない!
とまた違って、
「あくまでも幸せのことを書ききる!」
というものでしたが、それもまた、勇気のいることだと思います。

初版は1945年ですが、後の名作『やかまし村の子どもたち』(娘も大好きでした、3冊ともあります)の子どもたちがもし16才だったらこんなふうかな、と思える、農家の生活を描いた作品。

といっても、実は主人公、サクランボというあだなのふたごのバーブロとシャスティンははじめは都会っ子だったのです。(語り手はバーブロです)
お母さんも都会風の「ファッション雑誌から抜け出たよう」な「有能な美人」なんです。
ところが、お父さんが職業軍人の職を退職後、生きがいと生計をたてるため、子ども時代を過ごした農場にもどって、初めて農業に手をつけるという決心を。

あ~あ~あああああ~あ♪「北の国から」・・・?にはならないんです!

はじめっから、お母さんもバーブロたちも大喜び!
田舎には高等学校がない、という問題にも、「もう勉強はいいわ!」ということになり、そこから農場に行った娘たちは、じゅうぶんに農家の生活を楽しみ、まんきつするのです!
その描き方がすごいなあと感心しました。
しかも、親と娘の会話、ボーイフレンドや初恋のようすなど、まったく現代的ともいってよく、とくに初恋のときめきとよろこび、せつなさは胸きゅんです。

さて、リンドグレーンは伝記『遊んで、遊んで、遊びました』というタイトルにもあるとおり、子ども時代の遊びをそのまま著書にもってきた作家でした。

『長くつしたのピッピ』シリーズでは、ピッピは学校へは行かず、自分で発明した遊びで、おとなりのトミーとアンニカを魅了します。
そして、トミーとアンニカが重いはしかにかかったあとは、療養のために、学校を長期に休んで、ピッピとともに南の島まで船で旅して、ピッピのお父さんの酋長に会い、楽しく遊ぶのです。
これを子ども時代読んだときは、とってもうらやましかったです~~。
小学校生活って、永遠に終わらないんじゃないかってくらい、たいくつでしたからね~~~。

ところで今の日本の子どもは、学校に疲れて長期に休んでも、結局ひきこもってゲームをやるだけ・・・。

南の島にも遊びに行かないし、ましてや自分で遊びも発明できないんです。

そうかー、だから「ひきこもり」の日本の子どもをタイが受け入れて、精神的に立ち直らせる、というNGOがあったと思ったけれど(今活動しているかどうかしりません)、やっぱり「南の国」で楽しく遊ぶ、もしくは畑仕事をする、というのがいいのね~~~。

ただし、どの子にもいいというわけではないですよね。
中には、勉強が好きな子もいるんです。
たいてい、そんな子は児童文学の中ではしいたげられています(笑)が。
(ガリ勉とかなんとか、ね)
上級学校に行きたい子には向かないと思いますが、サクランボたちの幸せさ、休暇には味わいたいです!

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コメント

この本、読んでみたいです。そして、子どもたちにも紹介できたら良いな、と思いました。
 リンドグレーンの本の主人公は、活発な子どもが多くて、昔の私はちょっと辟易していました。 ピッピなどは、読んだだけでくたびれてしまい、もう少し内省的なものはないんかい!と、子供心に思っていたのですが、改めて(大人になって)読み返してみると、(しかも、今の時代では)ちっとも激しくないのです。
 私は時々、「ふしぎなおにんぎょうミラベル」というリンドグレーンの絵本を読み聞かせに使います。これはとても静かな語り口ですが、田舎の少女の、少女にだけ分かる喜びが書かれていて、私は、この本には共感しました。(畑にお人形が生えてくる、というストーリーですが、私も似たようなことを望んで、自分の畑を作っていたような記憶がありました・・)
 サクランボ〜はお正月に読んでみます。ありがとうございました。

投稿: イサラ | 2007/12/28 17:37

イサラさん

『ピッピ』って意外に「せつない」物語なんですよね。
小学生のとき読んだときから、そう思っていました。
「ふしぎなお人形ミラベル」、読んだことないです!
ぜひ読んでみますーー。
私は逆に、リンドグレーンのファンタジー系のものはついていけないんですよね。
何か暗いメランコリーにおおわれているような気がします。
本当は大人であれば、「遊んで遊んで幸福」という人生を送っているとはかぎらないと(というか、そういう人は作家にはならないだろうと)思います。
リンドグレーンの精神の底には「憂愁」というものもあると思います。

投稿: 管理人チョムプー | 2007/12/28 19:50

フムフム。私もどちらかというと「あくまでも幸せのことを書ききる!」側にいます。
幸せなことを書きっても、読み手が色々と考えることができる表現ってあるはずだと思っています。

私はまだまだ修行が足りないので、裏でネガチブになったりしますが・・・苦笑

今年の巡回は今日までです。今年はたくさんのためになる記事や爆笑記事を読ませていただき、ありがとうございました。来年も楽しみにしています!お年を~♪

投稿: oon | 2007/12/30 11:52

oonさん

この年齢になると、重く描こうとも、幸せを描こうとも、とにかく「まっすぐに向き合う」ことが大切だとつくづく思いますよー。
若いころは、ひねった言い方などにひかれたときもありましたが・・・。
ひねくれちゃんはいやよ。

oonさん、こちらこそ、働く主婦として、お忙しいのに、楽しい記事の数々、ありがとうございました!
日本にいながらタイ生活、ご主人さまとラブラブで、行事をだいじにするところ、みんな好きです。
来年もよろしうね~~~!

投稿: 管理人チョムプー | 2007/12/30 14:15

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