河合隼雄先生とうつ社会日本
私が勝手に心の師とあおぐ臨床心理学者、文化庁長官河合隼雄先生が今日NHK教育テレビにご出演になり、ひさしぶりに「動く河合先生」を拝見できました。
それも、新刊『大人の友情』と『聖地アッシジの対話』を読んでいたところなので、グッドタイミングでした。
リンク: 福祉ネットワーク NHK.
テレビのご発言では、「うつ病」というのは、今までの生き方がふさがれてしまって、心のエネルギーがなくなっている状態なので、今までと同じ方向に向かってあせったり、励まされたりしてもそこはふさがれているから、どうしようもない。
河合先生はカウンセリングでは、「ぐーっといっしょにしずむ」。
ただし、「希望をもってしずむ」。
そうすると、エネルギーが別の出口を見つけるという興味深いお話でした。
そして、今、実は日本社会全体が、この「うつ病」と同じことになっているので、同じように対応しなければいけないのではないかと。
私が最初に河合先生と出会ったのは『子どもの本を読む』というご著書。
それまで勉強してきた児童文学論や評論とまったくちがう新鮮な切り口、そして読んだだけでこちらもいやされてしまうという内容に、すっかりぐっときてしまいました。それからというもの、著書おっかけです。
「日本社会が希望をもってちがう出口をクリエイトする」というのは、むずかしい問題ですね。しかし、東京の通勤会社員の方々がいちように暗い顔でいるのは、明るいバンコクの街から帰った私には気になる、目立つところでした。
特に、おじさんたちは余裕がない。娘も私もなれない電車の乗り降りや、エスカレーターの昇降でちょっともたもたしていると、おじさんたちにどなられたり、つきとばされたり。女子どもに優しいタイの生活に慣れた娘には、相当ショックなようでした。
河合先生の新しい作品には『仏教が好き』『ケルト巡り』『ナバホへの旅 たましいの風景』そして前述した『聖地アッシジの対話』と、さまざまな宗教にふれたものが多いですが、これも新しい出口を求めてのことでしょうか。
毎日ばたばたしている世俗的な主婦の私は、ただ読んでうっとりするだけなのですが・・・
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» 『聖地アッシジの対話 聖フランチェスコと明恵上人』(藤原書店) [ハンナの祈り]
聖地アッシジの対話posted with 簡単リンクくん at 2005. 8 [続きを読む]
受信: 2005/08/09 16:39














コメント
NHKの番組を見逃してしまいました。河合隼雄さんの『ケルト巡り』は、読みましたが、その後の新著はまだでした。読んでみたいなと思います。
著作集14巻を繰り返し読んでいますので、どうしても新著まで手が回らないですが、河合先生の新しい風も受けてみたいです。
新著のご紹介ありがとうございました。
投稿 まざあぐうす | 2005/04/29 18:51
>まざあぐうすさま
河合先生、めちゃくちゃご著書多いですものね!多すぎて、中期はけっこう内容が重なっているものが多かったのですが、また今になって、どんどん新しい内容になっているところがすごいです!特に中沢新一さんとの『仏教が好き』はおすすめです。
投稿 管理人チョムプー | 2005/04/29 19:37
初めまして。突然で申し訳ないのですが、河合隼雄先生が出演されていたNHK教育テレビで最後にボードに書かれた言葉を覚えておいででしょうか?もし覚えていらしたら教えていただけないでしょうか?
投稿 F・F | 2005/05/07 16:50
F・ Fさんこんにちは!
そうそう、最後にボードにいいお言葉を書かれていましたね!
し、しかし!私もわすれてしまいました・・・
希望をもって新しい生き方をクリエイトしようというのを短くおっしゃったおことばだったような・・・す、すみません。
上にリンクしているNHK福祉ネットワークのページに、質問のメールをうけつける箇所がありますので、そちらから質問してみられたらいかがでしょうか?
投稿 管理人チョムプー | 2005/05/07 19:16
この前は突然の申し出で失礼しました。NHK福祉ネットワークにメールで問い合わせたところメールにて教えてもらうことが出来ました。
「希望を失わずに待つ」でした。
実は私はうつ病を長年患っていてこの言葉にとても勇気付けられました。
投稿 F・F | 2005/05/10 12:06
F.Fさま
お役にたてなかったのに、聞いてくださってありがとうございます!
「希望を失わずに待つ」いいお言葉ですよね。
うつ病はほんとうにお苦しいと聞いております。どうぞ予後おたいせつに。
しかしこの言葉は、人生中年(・・・)になると、いろいろと思い通りにすすまないことが多い日々の、希望のことばにもなりますよね。
投稿 管理人チョムプー | 2005/05/10 21:43
チョムプーさん、4月の記事に今頃トラックバックなんて・・・ごめんなさい。いつもゆっくりペースなもので。
『聖地アッシジの対話』を読みました。『明恵 夢を生きる』とも繋がって、興味深かったです。河合先生はすごいですね。
「希望を失わずに待つ」という河合先生のお言葉に出会えてうれしいです。わたしも3年間ほど鬱症状に苦しんだことがあります。その間、ずっと河合先生の著作集を読んでいました。すっかり快復した今、思うことは、あまり思いつめないこと、ユーモアを忘れないこと、です。
河合先生の言葉を今、しみじみと味わっています。「ハンナの祈り」からトラックバックさせていただきますね。
投稿 まざあぐうす | 2005/08/09 16:36