野田秀樹さん東京芸術劇場芸術監督就任記念プログラムとして、今日から上演の
『赤鬼』タイ・リケエ大衆芸能)バージョン。

BS2で2004年の『赤鬼』タイバージョンを観ていたのですが、それが「リケエ」という、タイでの大衆芸能(村芝居)版で日本上陸、しかも野田さんのポストトーク付き、というのでわくわくと向かいました。
さあ~!
これをリケエを知らずにごらんになった方の感想やいかに・・・
。
と思いつつも、すごいことが!
野田さんのポストトークで知ったのですが、今回、原作では「ミズカネ(水銀)」という重要な役を、タイ版初演から演じていたプラディット・プラサートンさんが、なんと演出、そして同じ「ミズカネ」・・・タイ版では、「パカラン」という名前で演じていたのです!
ポストトークも通訳付きで出られましたが、『赤鬼』タイバージョンにとても感動していたので、すっごくうれしかったです!
しかもそのときの「トンビ」役がすごーくよかったナット・ヌアンペーンさんは、今回同時に上演される『農業少女』対現代劇バージョンに出演、ということでこちらも登場されたんですー。
しかしこのポストトークおもしろくて、野田さんが進行役もされたんですが、
「リケエ版での演出は、むずかしかった?」
とプラディットさんに尋ねたら、プラディットさん、
「最初はそうじゃなかったのに、1日クン・ヒデキ(野田さんのこと)がバンコクに観に来られてからが、すごくむずかしくなって、悩みましたー(苦笑)」
というのに、野田さんも笑って、
「そうだよなー、ついついダメ出ししちゃって・・・小一時間ダメ出ししたよな!」
には、場内爆笑。
なんでも、リケエ版ということで、
「ほんとに軽演劇みたいで、しかもずいぶんはしょっちゃてるんだよ!」と野田さん。
いやー、でもその軽演劇はしょりバージョンも見たかったかも!
今回「リケエ」というのをホントに一部しか見たことが無かったので、私はすっかりたんのうしたのですが・・・。
音楽も生演奏でしたが、さすがに、字幕がスクリーンに出るので、演者さんたちも、そんな~には、ハメをはずさなかったのです。
だいじなところは、「ダメ出し」のせいか?
ちゃんとシリアスになってましたし・・・。
それに、客席が舞台をコの字に取り囲む形で、客席数も小ホールで席数300とありますが、それより少なかったような・・・
超近くて、ホントにうれしかったのですが、観客のみなさんの表情が深刻というか固いというか・・・
私、ついハラハラしてしまいました!
みなさん、初めて見るリケエに、
「野田演劇をこんなにしやがって・・・!」と怒ってるんじゃないかと~~~
でも、終ってみると、すごい暖かい拍手喝さいだったので、そうじゃないことがわかってよかったです~~~ホッ!
というふうに、恐らく来られていたタイ好きさんたちは特殊な観客かも。
お客様の層はいろいろで、どういう方々か・・・野田さんファンなのか、タイファンなのかよくわかりませんでした。
とにかく、タイに慣れている人にはおなじみのあの節回しと、タイ舞踊的な動きなんです。
だから、もとのほうがいいかな?というところもありましたが、
特に衣装がリケエ版は派手なんで、もとのピュアな感じは抜けていましたが、
リケエ版で良かったと思ったのは・・・
「赤鬼」の立ち姿がとってもいい!
きらびやかな衣装はタイの鬼「ヤック」そのもの!
それがなんだか効果的でステキでしたー。
そして、その赤鬼がリケエふうに歌う
「自由の鐘(ラカン・セーリー)」の歌もすごくよかった!
あの歌だけでももう一度聞きたいです、DVD売ってくれないかなー。
以前BSで見たときも、まるでタイの伝説を舞台化したようだ・・・と感じましたが、こうしてリケエになると、ますます、タイの説話を舞台化したような、不思議な空間でした!
ポストトークでは、演出・役者のプラディットさんにとっても、この『赤鬼』は特別な思い入れのある役で、今もときどき台本を読み返しているくらいだそう。
そして、野田さんにとっても、初演のときに、
「外国の人と協力して演劇を創るっていいなあ!」と思わせられた初めての機会だったとか。
ナットさんに、
「今度はタイのことを演劇にしてください」と頼まれていました。
それに、初日だからか、『赤鬼』タイバージョンのきっかけとなった小松さんという方が見えてらして、
「リケエ」とは、タイにおいて、「梅澤富男さんの大衆演劇」と全く同じで、おばちゃんファンがお札のレイをかけたりするもの、と客席から説明する一幕もありました。
ただ、今回のものは、「新しいリケエ」ということで作ったのだそうで、タイでは評判になって、公演回数が増えたのだそうで、プラディットさんによると、チェンマイの友人から電話があって、
「これは新しいリケエ(リケエ・サマイ・マイ)なの?古典リケエなの?新しいリケエなら、飛行機のチケット買って観に行くよ」と言われたそうです。
これから『農業少女』とともに、野田さんのポストトークまだありますし、質問タイムもあります。
ぜひ観に行かれるといいかと。
また、ロビーのところにある展示室では、「バンコク現代演劇の魅力」という小さい展示を22日まで行っていて、『赤鬼』タイバージョン初演の衣装や、タイバージョンの台本の展示、そして、2009年のバンコク演劇フェスティバルの出演者をダイジェストでまとめたビデオ上映もしています。
こちらのビデオ上映もおもしろいので、少し早めに行って、ごらんになるといいと思います!
BSで見た『赤鬼』タイバージョンの感想はこちら。
野田秀樹『赤鬼の挑戦』を読んだ感想はこちら。
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